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脇腹が痛い

脇腹が痛いのはなぜ?

脇腹が痛いのはなぜ?お腹の側面にあたる「脇腹」が痛いという場合には、内臓の病気だけでなく、皮膚疾患や肉離れなど、さまざまな疾患の可能性を考慮して診療にあたる必要があります。
受診の際には、いつからどのような痛みがあるのか、どのような時に強くなる・弱くなるのかについてお聞かせください。
ここでは、脇腹が痛む原因疾患についてご紹介して参ります。

脇腹の痛みを伴う
疾患・原因

脇腹の痛みを引き起こす代表的な疾患には、以下のようなものがあります。

腎臓・尿路の場合

腎臓や尿路においては、尿路結石や腎盂腎炎などが考えられます。

尿路結石

腎臓・尿管・膀胱・尿道という尿路において結石が生じる病気です。
激しい脇腹の痛みの他、吐き気、血尿、冷や汗などの症状が見られます。

腎盂腎炎

尿の集まる「腎盂」に細菌が付着して炎症が起こった病気です。
脇腹や腰・背中の鈍い痛み、38度以上の発熱、吐き気・嘔吐、倦怠感、食欲不振、排尿痛、頻尿などの症状が見られます。

消化器の場合

急性膵炎、急性胆嚢炎・胆管炎、胆石症、大腸憩室炎・大腸憩室出血などが考えられます。

急性膵炎

膵臓で作られた消化液が、膵臓そのもの、まわりの組織で炎症を起こします。
初期にはみぞおちの痛みが、時間が経過してからみぞおち~脇腹にかけての激しい痛みが現れます。その他、吐き気・嘔吐、発熱などの症状も見られます。

急性胆嚢炎・胆管炎

いずれの場合も、右脇腹や右上腹部に痛みが出ます。
その他の症状としては、発熱、吐き気・嘔吐、黄疸などが挙げられます。

胆石症

胆のうで結石が生じた状態です。食後、右の脇腹に痛みが生じます。鋭い痛みになることもあれば、鈍い痛みになることもあります。特に、脂っこいものを食べた後に痛みが出やすくなります。
胆石症は、胆嚢炎や胆管炎の原因になることもあります。

大腸憩室炎

大腸粘膜が外側に向けて袋状にへこみ、そこで炎症が起こったものが「大腸憩室炎」です。
脇腹の痛み、腰痛、発熱、吐き気・嘔吐、下痢などの症状を伴います。

筋肉や皮膚の場合

帯状疱疹、肋間神経痛、肉離れなどが考えられます。

帯状疱疹

水ぼうそうにかかった人の体内に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが、抵抗力が低下した時などに活発化して発症します。
身体の左右どちらかに、帯状の赤みや水疱、ピリピリとした痛みが現れます。またこの痛みは脇腹に出ることが多く、時間の経過とともに強くなります。

助間神経痛

何らかの原因によって肋間の神経が刺激を受け、胸、背中、あるいは脇腹に痛みが出ます。
この痛みは、身体を動かした時に強くなります。

肉離れ

急なダッシュ、ストップ、ジャンプ後の着地などによって、筋肉が完全にまたは部分的に切れた状態です。
太もも、ふくらはぎに好発しますが、脇腹の筋肉で発症することもあります。激しい痛みに加え、腫れ、内出血、へこみなどが生じることがあります。

ストレスが増えると
左脇腹の痛みが
強くなる!?

ストレスが増えると左脇腹の痛みが強くなる!?腹痛がどこに現れるかは、疾患によってある程度の予想がつきます。
その中で、過敏性腸症候群においては、左脇腹から下腹部にかけて痛むことが多くなります。過敏性腸症候群の原因の1つにストレスが指摘されているため、ストレスを溜めないようにすることが大切です。

右脇腹?左脇腹?
腹痛を伴う疾患

どこが痛むかということは、必要になる検査を選択したり、診断をする際の大切な情報です。ただ、痛みの出方・感じ方には個人差がありますし、受診した時に痛みが出ているとは限りません。
脇腹かもしれない、いや違うかもしれないという時には、その曖昧さをそのまま医師にお伝えください。ここでは、そういった場合に疑われる疾患についてご紹介していきます。

緊急性が高い腹痛を
伴う疾患

腸閉塞

腸の働きの低下、閉塞などによって内容物が肛門へと運ばれなくなる病気です。
腹痛や吐き気・嘔吐、腹部膨満感などの症状が見られます。

急性虫垂炎

いわゆる「盲腸」のことです。みぞおちの痛み、吐き気、食欲不振などの症状が見られます。
みぞおちの痛みはその後、右下腹部へと移動します。

急性胆嚢炎

胆汁を貯めておく胆嚢で起こる急性の炎症です。
右上腹部の鈍い痛み、背中や肩の痛み、吐き気などの症状が見られます。

急性膵炎

胆石やアルコールによって膵臓が自己消化を起こし、膵臓で炎症・浮腫・出血・壊死を起こす病気です。
上腹部や背中の痛み、嘔吐、発熱などの症状が見られます。

S状結腸軸捻転

直腸の手前にあるS状結腸が捻じれてしまった状態です。捻じれによって大腸が閉塞し(腸閉塞)、腹痛や腹部膨満感、吐き気、嘔吐などの症状を引き起こします。

緊急性がそれほど高くない腹痛を伴う疾患

急性胃炎

ピロリ菌感染やアルコールの飲み過ぎ、痛み止めの服用などを原因として起こる急性の胃炎です。
みぞおちのキリキリした痛み、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が見られます。

胃・十二指腸潰瘍

ピロリ菌感染や非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)などを原因として、胃や十二指腸の粘膜で潰瘍やびらんが生じる病気です。
胃やみぞおちの痛み、胸やけ、胃もたれ、ゲップ、吐き気、吐血・下血などの症状が見られます。

急性腸炎

ウイルスや細菌による感染、暴飲暴食、食物アレルギーなどを原因として起こります。
原因によって異なりますが、一般には吐き気や嘔吐、下痢、血便、発熱、腹痛などの症状が見られます。

胆石症

胆嚢で結石が生じる病気です。
食後の右の脇腹の痛みが典型的です。脂っこいものを食べた後には、特に痛みが出やすくなります。

尿路結石

尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)のいずれかに結石が生じる病気です。
激しい脇腹の痛み、吐き気、血尿、冷や汗などの症状を伴います。

胃がん・大腸がん

胃がん、大腸がんは共に、初期症状に乏しいがんです。
ある程度進行してから、胃やみぞおちの痛み、下腹痛などの症状が現れるようになります。
胃がんのその他の症状には、胸やけや胃もたれ、吐き気、食欲不振、体重減少、貧血などが挙げられます。
大腸がんのその他の症状には、血便、便が細くなる、残便感、食欲不振、体重減少、貧血などが挙げられます。

過敏性腸症候群

腹痛と共に下痢、便秘といった症状が続く一方で、検査では器質的な異常が認められない病気です。
下痢型・便秘型・混合型があり、特に下痢型で強い腹痛が見られます。混合型では、下痢と便秘が交互に訪れます。

大腸憩室症
(憩室炎・憩室出血)

大腸粘膜が外側に向けて袋状にへこんだ状態を「大腸憩室症」と言い、この段階では通常無症状です。
憩室の炎症を伴う「大腸憩室炎」では、腰痛や発熱などの症状が見られます。一方の「大腸憩室出血」では基本的に痛みはなく、突然の大量の出血(血便)が典型的な症状となります。

脇腹が痛いと
お悩みの方は
当院へご相談を

脇腹が痛いとお悩みの方は当院へご相談を脇腹の痛みの原因疾患の中には、早急な治療が必要なものも少なくありません。
消化器だけでなく、腎臓の疾患についても正確な診断と適切な治療を行って参りますので、痛みに気づいた時にはお早めに当院にご相談ください。
当院では、血液検査やレントゲン検査、超音波検査だけでなく、大腸カメラ検査、胃カメラ検査などにも対応しております。内視鏡検査においては、苦痛の少ない鎮静剤を用いた検査ができる体制を整えております。